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バカイズム

バカこそ真実だ。センスのあるバカを目指します。「面白きこともなき世を面白く」をモットーに突き進め!”バカの中にある真理”を見い出すために。さあ!今日もゆけ!馬と鹿の合わさった人間ども!

おじいさんの記憶

僕が小さい頃。どれくらい前だったかは覚えてない。


ただ、泣いていたのは覚えている。



これくらいの季節、寒い時期だった。寒い中、ずっと外で泣いていた。僕は。


そこへ、知らないおじいさんが泣いている僕を見て、「どうしたんだい?」と聞いてきた。


おじいさんの声に耳を貸すことはなく、僕はただ泣いていた。


何も言葉を発さないまま、泣きじゃくる僕におじいさんはほとほと困り果てた様子で、しばらくすると、「ちょっと待ってなさい」と言って、どこかへ言ってしまった。


僕はよりいっそう泣いた。


おじいさんが戻ってきた。おじいさんは僕の手を取って、手のひらを開けさせ、手のひらにポンと暖かい肉まんを置いた。


「お食べなさい」


寒い中でのその肉まんはすごく暖かった。僕は鼻水と涙でいっぱいいっぱいだった。でも、その肉まんに夢中でむしゃぶりついた。


おじいさんは言う。


「なんで泣いていたのか話してごらんなさい」


泣きじゃくって声もでない僕は必死に声を絞り出し、「友達とケンカをした」とだけ言うと


「じゃあ、なんでケンカをしたんだい?」


グスグスと涙混じりに「ボールの取り合いをしたんです」
と僕が言うと、おじいさんは少しだけニコリと笑って


「じゃあ、友達と仲直りするためにはどうすればいいと思うかね?」


僕が答えられずに困っていると


「君がその答えを出せる日がきたらいいね。そうしたら立派な大人だ。」


そう言って、おじいさんは僕の頭を撫でて、ゆっくりとどこかへ歩いて行った。その様子を僕はずっと見ていた。そのおじいさんは片足が不自由のようだった。片足をズリズリとひきずっていた。


僕はその時、おじいさんがそんな不自由な足なのにも関わらずに、僕のために肉まんを買ってきてくれたことがわかり、知らないおじいさんの思いやり。知らない僕なんかへの思いやりに、とっくに泣き疲れた涙がまた出てきそうになった。



この出来事が夢だったのか現実にあったことなのか。記憶が定かではない。でも、夢だとしても僕は、「覚えていた」





・・・おじいさん。





僕は。





やっぱりまだ。





「立派な大人」にはなれてないんですよ。


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テーマ:つぶやき - ジャンル:小説・文学

  1. 2005/12/06(火) 11:49:21|
  2. バカイズム的感動
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  1. 2005/12/06(火) 20:09:14 |
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